顔面麻痺の機能訓練

【顔面麻痺の機能訓練】

 

当施設では、脳卒中後遺症による顔面麻痺だけでなく、ラムゼイハント症候群などの末梢神経障害による重度の顔面神経麻痺に対する自費リハビリも行っています。

柳原法において8点以下を示す重度の顔面麻痺では、表情筋の随意的な活動がほとんどみられない場合があります。

本日は、そのような重度の顔面神経麻痺を呈した患者様への介入について、当施設での考え方を含めながら記載させていただきます。

■評価

①問診
②エバリューションシートの記載(患者様とセラピストで作成)
③柳原法
④動画撮影(許可を得て実施)

※柳原法のスケールで「できた・できない」「動いている・動いていない」だけでなく、動画を用いて以下のような“動きの質”の変化も評価しています。

・動きのタイミング
・努力性/力み感
・病的共同運動
・代償動作
・動きの質
・左右対称性
・感情表出/表情表現

また、患者様ご自身が動画を見て変化を確認できるようにすることで、モチベーションの維持や心理的な安心につながるよう配慮しています。

■機能訓練

①疼痛や不安に対するリラクゼーション
(過度な緊張や自律神経系への配慮、徒手や呼吸を利用)
②疼痛部位から離れた部位への介入
(前頭部・側頭部・頭頂部・頸部など、状態に応じて実施し徐々に顔面へ)
③顎関節の徒手的アライメント調整
④顎関節の自動介助運動~自動運動
⑤回復過程に応じた顔面筋のファシリテーション
(筋活動が少しずつ得られてきた段階で、評価に基づき実施)

※当施設の顔面麻痺に対するセラピーでは、麻痺側だけでなく、健側の過活動にも配慮しながら顔面全体への介入を行っています。

■自己管理支援

①自宅でできるセルフエクササイズを段階に応じて教示
②疲労・睡眠・ストレス状態の気づきと自己管理支援
③季節に応じて顔面を含めた体を冷やさないようにすること

※機能訓練・自己管理ともに、「焦らないこと」「やりすぎないこと」について説明しています。

また、重度の顔面神経麻痺では、

・閉眼不全によるドライアイ
・見えづらさの違和感
・聴覚や味覚の違和感
・喋りにくさ
・喉の違和感
・ワニの涙症候群
・食事に時間がかかること
・頭頸部の自動運動による耳介周囲の疼痛誘発
・表在感覚鈍麻

など、表情以外にも様々な症状を伴うことがあります。

当施設では、これらの随伴症状についても経過を確認しながら介入しています。

重度の顔面神経麻痺の患者様においては、無料カウンセリングの段階で一通りの評価結果をお伝えしたうえで、

・自費リハビリで得られる回復には限界があること
・しかし、あきらめて放置することとは別であること

を説明し、納得・合意形成を得たうえでお試し施術を受けていただいています。

また、お試し施術後の変化も評価し、今後の通所のイメージを一緒に立てていきます。

不安や外見の変化からくるストレスが少しでも軽減するよう、状態や変化について丁寧に説明を行い、時には患者様の気持ちが緩むような会話も大切にしています。

また、医師による医学的な判断が必要な症状や不安に対しては、医療機関への受診を助言しています。

 

顔面神経麻痺の回復は非常に繊細です。

 

現在、医療機関でリハビリテーションを受けている方につきましては、終了後に自費リハビリへ移行していただいています。

また、自費リハビリと鍼灸との併用は可能ですが、刺激過多にならないよう、毎回介入前に問診を実施したうえで施術を行っています。

初夏の花 芍薬

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