Clinical ReasoningーBias

【Clinical Reasoning ― Bias】

前回は、クリニカルリーズニングにおける患者様が有する要因Flagsについて記載いたしました。

今回は、セラピスト自身が有する要因であるBias(いわゆる認知バイアス)について記載いたします。

クリニカルリーズニングにおいて、思い込みや認知的な偏りは、若手療法士だけでなくベテラン療法士においても起こり得るものとされています。

こうしたバイアスは、「確証バイアス」や「アンカリング」など様々な形で現れますが、背景には記憶や思考のクセ(固執性など)が関与しており、臨床の判断にも少なからず影響を与えていると考えられます。

そのため、こうしたバイアスが存在することを前提とした上で評価や判断を行うことが重要になります。

では、このような思い込みやBiasの影響を、どのように最小限にしていくのか。

それがメタ認知です。

経験に基づいた直感そのものが問題ではありません。重要なのは、それを仮説として捉え、検証を伴わせることです。

私は、思い込みは必ず起こるものという前提で臨床に向き合っています。

そのため、自身の思考の偏りに気づく仕組みを持つことが重要であると考えています。

当施設にお越しいただいている患者様の成果が乏しい場合や、継続利用されている患者様の状態に変化が見られた際には、日々の臨床場面や会話、問診票・評価シートの見直しを行います。 さらに、反証や複数仮説の再検討のための簡易的な確認事項を用いて、Biasの影響を最小限に抑えるようにしています。

また、クリニカルリーズニングは一方的に行うものではなく、患者様と共有しながら進めていくものです。

状態に応じて訓練内容を柔軟に変更し、療法士と患者様の共同作業として最終的な判断とリハビリテーションの組み立てを行っています。

完璧なクリニカルリーズニングというものは存在しません。

また、一通りのリーズニングができるようになるためには、深い医学的知識と、それらを患者様の機能障害と関連づける能力が必要であり、習得には長い年月と継続的な学び・経験が求められるとされています。

そのため、私の現時点での知見の中で、可能な限り最善の判断を積み重ねていくことが重要であると考えています。

クリニカルリーズニングは、評価と介入の往復であり、 仮説 → 検証 → 修正 を繰り返していく過程そのものです。

日々の臨床における振り返りと検証、そして学びの継続が不可欠であると考えています。

 

仙台藩 (伊達家)   /   一関藩 (田村家)

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